シロアリ駆除で実際によくあるトラブル
シロアリ駆除は、家屋を長期にわたって守るために極めて重要な作業です。
しかし、この重要な作業を巡っては、残念ながらさまざまなトラブルが発生しています。これらのトラブルは、家屋の所有者にとって精神的なストレスはもちろん、時には大きな経済的損失をもたらすことがあります。
本記事では、シロアリ駆除のプロセスで起こり得る「トラブル!実際のケースと原因を解説」します。
契約内容と実際の作業内容の違い、見積もりと最終請求額の差異、施工後の保証内容の不透明さ、さらには健康被害や悪徳業者によるトラブルなど、シロアリ駆除を取り巻く様々な問題点を深掘りし、その原因と対策を明らかにします。
この記事が、シロアリ駆除を検討中の方々にとって、トラブルを避け、安心して作業を進めるための一助となれば幸いです。
- シロアリ駆除における一般的なトラブル事例とそれらが発生する背景や原因を解説します。
- 使用される化学物質による健康被害の実例とリスクを最小限に抑えるための対策や注意点を解説します。
- トラブルを避けるためにどのように信頼できる業者を選ぶべきか、また、万が一トラブルに遭遇した際の対処法について解説します。
シロアリ博士
しろあり防除施工士/シロアリ駆除業者勤務15年 これまで、シロアリ駆除を100件担当した経験がります。シロアリに関する情報を監修しております。
クロモリ ユウキ
1989年福岡市生まれ 2023年1月air Inc.を設立/web歴15年/マーケティング歴5年 建築学部卒。大学在籍中からwebマーケティングを研究し、2020年webメディアを事業譲渡。2022年までプライム上場企業マーケティング部にパートナーメンバーとして在籍。地方でマーケティングをやっています。
建築事務所タケシタ代表
長崎市で建築会社を経営。二級建築事務所として、設計や建築の監修を行っています。当メディアでは、建築情報に関する監修を行いながら、外壁の劣化やシロアリから建築を守るための情報発信に貢献しています。監修メディア:「外壁ビフォーアフター」「シロアリバスターズ」
シロアリに関して全く知識がない方でも理解できるように、基本から丁寧に説明していきます。シロアリによる被害を最小限に抑えるために、どのような点に注意すべきか、具体的なアドバイスも交えながら解説していきます。
シロアリ駆除の重要性とトラブル
シロアリ駆除は、安心できる業者を選ぶことが大切です。駆除はもちろんですが、工事の不透明さや保証の期間でトラブルが増えています。
シロアリ駆除は、住宅の健全性を維持する上で非常に重要なプロセスです。
湿度が高い地域では特に、シロアリの被害は深刻であり、早期の対策が必要とされます。シロアリは建物の木部に損害を与え、その構造の強度を弱めるため、放置することは家の耐久性に直接的な影響を与えます。
しかし、駆除作業を進めるにあたり、業者選びから施工、完了後のフォローに至るまで、さまざまなトラブルが発生する可能性があります。
契約内容の不一致、見積もりと実際の料金の差異、不十分な作業による再発、さらには健康被害や近隣とのトラブルなど、様々な問題が報告されています。
これらのトラブルを避けるためには、信頼できる業者の選定と、契約時に明確な内容の確認が不可欠です。
経過年数 | 木造在来工法 | 木造プレハブ | 2×4工法 |
---|---|---|---|
0 | 3.3% | – | 0.0% |
1 | 6.5% | 0.0% | 7.1% |
2 | 5.5% | – | 5.6% |
3 | 9.2% | 0.0% | 0.0% |
4 | 9.1% | – | 15.4% |
5 | 5.9% | 33.3% | 0.0% |
6 | 6.5% | 0.0% | 10.0% |
7 | 5.9% | – | 12.5% |
8 | 13.4% | 0.0% | 0.0% |
9 | 19.4% | – | 7.1% |
10 | 11.7% | 0.0% | 0.0% |
11 | 12.7% | 100.0% | 4.2% |
12 | 17.2% | 0.0% | 0.0% |
13 | 19.5% | 0.0% | 0.0% |
14 | 13.9% | 100.0% | 33.3% |
15 | 14.9% | 0.0% | 0.0% |
16 | 33.3% | 0.0% | 0.0% |
17 | 13.0% | – | 100.0% |
18 | 14.8% | – | 0.0% |
19 | 15.8% | – | 100.0% |
20 | 45.0% | 100.0% | – |
21 | 40.0% | 0.0% | 0.0% |
22 | 25.0% | – | – |
23 | 18.2% | – | 100.0% |
24 | 53.3% | 0.0% | – |
25 | 13.6% | – | – |
26 | 42.9% | 0.0% | 0.0% |
27 | 23.1% | – | 0.0% |
28 | 50.0% | – | – |
29 | 37.5% | – | – |
30 | 16.7% | – | – |
31 | 0% | – | – |
32 | 33.3% | – | – |
33 | 100% | – | – |
34 | 50.0% | – | – |
35 | 50.0% | – | – |
36 | 0% | – | – |
38 | 0% | – | – |
39 | 100% | – | – |
41 | 100% | – | – |
42 | 0% | – | – |
43 | 0% | – | – |
44 | 100% | – | – |
45 | 100% | – | – |
46 | 0% | – | – |
47 | 0% | – | – |
48 | 0% | – | – |
49 | 100% | – | – |
95 | 100% | – | – |
105 | 100% | – | – |
108 | 22.2% | 33.3% | 0.0% |
このテーブルは、保証切れからの経過年数に応じた木造在来工法、木造プレハブ、2×4工法のシロアリ被害発生率を示しています。経過年数が増加するにつれて、特に木造在来工法での被害発生率が高くなる傾向が見られます。また、木造プレハブと2×4工法では、特定の年数で被害発生率が高くなる傾向があります。
関連記事:シロアリ調査データ
シロアリ被害の初期症状
シロアリ被害の初期症状を見逃すことは、家屋への大きなダメージにつながりかねません。
初期症状には、木材の表面に細かい穴が開いている、床がフカフカして歩くと音がする、ドアや窓の開閉が困難になる、木材から粉末状のものが落ちてくる、壁紙や塗装が膨らんでくるなどがあります。
また、春先に羽アリが大量に発生するのも、シロアリ被害が進行している兆候の一つです。これらの症状が見られた場合は、ただちに専門の業者に相談し、適切な対策を講じることが重要です。
初期段階での対応によって、より大きな被害と高額な修復費用を避けることができます。
設置場所 | 特徴・説明 |
---|---|
基礎の立ち上がり部分 | 地面から建物へ続く部分で、湿気が集まりやすく、シロアリが侵入しやすい。 |
配管の隙間 | 水道管やガス管、電気配線の周囲にある微小な隙間からシロアリが侵入し、蟻道を作ることがある。 |
束石・床束 | 直接地面に接しており、湿度が高い環境を好むシロアリにとって、蟻道を作りやすい場所の一つ。 |
断熱材 | 床下や壁内に施工された断熱材は、シロアリにとって理想的な隠れ場所となり得る。湿気を保持しやすい性質もシロアリの蟻道形成を促す。 |
関連記事:シロアリが蟻道を作りやすい場所
シロアリ駆除作業でよくあるトラブル概要
シロアリ駆除作業でよくあるトラブルは、お金に関する相違と悪徳商法によるものが特に目立ちます。
まず、料金の相違に関しては、見積もり時に提示された金額と実際の請求額が異なるケースが頻繁に発生しています。例えば、追加工事や材料費の増加などが理由で当初の見積もり額から大幅に膨らむことがありますが、これらの変更点が事前に十分に説明されないまま進行することがトラブルの原因となります。
また、見積もり自体があいまいで、最終的な料金が不透明なケースもあります。
次に、悪徳商法によるトラブルは、不必要なサービスの強引な押し売りや、適切ではない駆除方法の提案、そしてそれに伴う高額な料金請求などがあります。
特に、無料点検をうたって訪問し、実際にはシロアリの被害が軽微または全くないにも関わらず、大規模な駆除工事を勧める業者が後を絶ちません。
これらの業者は、顧客の不安を煽ることで、高額な契約に誘導することが多く、被害が拡大してしまいます。
さらに、施工後の保証内容についてもトラブルの原因となりえます。具体的な保証期間や条件が契約書に明記されていなかったり、実際に問題が発生した際に適切な対応がされなかったりするケースが報告されています。このような状況では、消費者が不利益を被ることになり、信頼できる業者との契約の重要性が浮き彫りになります。
これらのトラブルを避けるためには、見積もりや契約の際には細部にわたって内容を確認し、不明瞭な点や不安な点は明確にしておくことが大切です。また、複数の業者から見積もりを取り、料金だけでなくサービス内容や保証条件を比較検討することが推奨されます。
信頼できる情報源や口コミも参考にしながら、慎重に業者選びを行うことが、トラブルを未然に防ぐ鍵となります。
トラブル事例 | 説明 |
---|---|
契約内容と駆除工事の内容が違う | 契約時に説明された範囲や方法と異なる作業が行われる。 |
料金が見積もりと違う | 追加工事や材料費増加などで見積もりよりも料金が高くなる。 |
施工後のシロアリ保証の内容 | 保証期間中に再発した場合の対応が不明確、または連絡が取れなくなる。 |
シロアリ駆除の後の健康悪化 | 使用された化学物質による健康被害が発生することがある。 |
悪徳業者に騙されてしまうケース | 無料点検を装い、不必要なサービスの契約を強要される。 |
シロアリ駆除のトラブル事例
シロアリ駆除は家屋を守るための重要な手段ですが、このプロセスでさまざまなトラブルが発生することがあります。
駆除作業において生じるトラブルは、家屋の安全性に直接関わるため、特に注意が必要です。ここでは、シロアリ駆除の過程で実際に起こりうる、よくあるトラブル事例を詳しく伝えていきます。
料金の相違から悪徳業者によるトラブル、そして保証内容の曖昧さに至るまで、様々な事例が報告されています。これらのトラブルを事前に知ることで、被害を最小限に抑え、また対処法を理解する手助けとなるでしょう。
シロアリ駆除を検討している方はもちろん、すでに業者との契約を進めている方にも、この情報は有益な知識となるはずです。
事例1:契約内容と駆除工事の内容が違う
シロアリ駆除を巡るトラブルの中で特に多いのが、「契約内容と駆除工事の内容が異なる」という問題です。
多くの場合、消費者は見積もりや契約段階で提案された内容に基づいて判断し、契約を結びます。しかし、実際の工事が始まると、契約書に記載された範囲や方法と異なる作業が行われることがあります。
例えば、契約では特定の範囲や部分のみの駆除が予定されていたにも関わらず、追加の場所への処置が必要だと言われ、結果として追加料金が発生するケースです。
また、使用する薬剤の種類や施工方法が変更されることもあります。このようなトラブルは、契約時の説明不足や、業者と消費者間でのコミュニケーション不足によって生じることが多いです。
トラブルを避けるためには、契約前に詳細な見積もりと契約内容の確認が不可欠です。また、工事中に内容の変更が必要になった場合は、その都度、明確な説明と同意を得ることが重要です。
事例2:料金が見積もりと違う
シロアリ駆除の料金に関するトラブルで最も一般的なのは、最終的な料金が初期の見積もりと異なるケースです。
多くの場合、消費者は見積もりを基に予算を計画しますが、実際の工事が進むと「想定外の被害が見つかった」「追加の処理が必要になった」などの理由で、追加料金が発生することがあります。
このような追加料金は、特に詳細な調査を行わずに見積もりを出す業者によく見られます。また、見積もり時には言及されなかった「必須の追加工事」が後から加算されることもあり、消費者は想定以上の出費を強いられることになります。
トラブルを避けるためには、見積もりを依頼する際に、可能な限り詳細な調査を実施してもらい、見積もり書にはすべての項目が明記されていることを確認する必要があります。
また、契約前に追加料金の可能性についても話し合い、どのような条件で追加料金が発生するかを明確にしておくことが重要です。
事例3:施工後のシロアリ保証の内容
シロアリ駆除作業を行った後、多くの業者は一定期間の保証を提供します。
この保証期間中にシロアリが再発した場合、業者は基本的に無料で再施工を行うことが一般的です。しかし、実際には、保証を利用しようとした消費者が業者と連絡が取れなくなるケースが報告されています。
例えば、保証を盾に契約を結んだものの、問題が発生した際には業者が電話に出なかったり、メールの返信がなかったりすることがあります。
このような状況に陥らないためには、契約前に業者の信頼性をしっかりと確認することが重要です。
業者選びの際には、実績や口コミ、保証内容の明確さをチェックし、可能であれば過去の顧客の体験談を参考にすると良いでしょう。また、保証内容は契約書に明記し、どのような場合に無料で再施工してもらえるのか、保証期間はどれくらいなのかを事前に確認しておくことが不可欠です。
事例4:シロアリ駆除の後の健康悪化
シロアリ駆除作業後に、防除用に使用された化学物質により、住宅内の居住者が健康悪化するケースが報告されています。
使用される防蟻成分などの化学物質が原因で、喉の刺激や痛み、頭痛、嘔吐やむかつき、目の刺激や痛み、気分の悪さ、皮膚の湿疹やかゆみ、気管支や肺障害、咳などの症状を引き起こすことがあります。
これらの健康被害を避けるためには、薬剤の使用を慎重に検討し、化学物質に対して過敏な人は、薬剤を用いない他の防除方法を考えることが重要です。
また、施工前には居住者の健康状態や家屋の換気状況を業者と共に入念にチェックし、施工方法や使用薬剤について十分な説明を受けることが必要です。健康被害が生じた場合は、速やかに医師の診断を受け、業者や消費生活センターに報告することが勧められます。
日本シロアリ対策協会指定の薬剤であれば、安全基準をクリアしているので、安心することができます。
参考情報:日本シロアリ対策協会
事例5:悪徳業者に騙されてしまうケース
シロアリ駆除の分野では、不幸にも悪徳業者による被害が後を絶ちません。
「お宅から羽アリが飛んできているとクレームが出ているので点検に来た」と業者が来訪してきた。しつこく何度もシロアリ駆除を勧められ、一人住まいで怖いので帰ってもらうために契約した。作業前に代金を支払うよう言われて現金で約50万円支払った。
点検のはずが…強引なシロアリ駆除サービスの勧誘
これらの業者は、無料点検や緊急性を強調して不安を煽り、高額な駆除プランを契約させる手口を用います。また、必要以上に高価な薬剤を使用する提案をしたり、実際には必要のない作業を行ったりすることもあります。
悪徳業者に騙されないためには、シロアリ防除がどの程度必要かを自身で把握し、複数の業者から見積もりを取り比較検討することが重要です。
また、業者選びでは、過去の実績、口コミ、提案された薬剤や施工方法について他の薬剤も検討し、施工前後の注意事項や保証制度についても確認することが勧められます。
近隣に対する施工の説明や同意も重要なポイントです。健康被害やトラブルが発生した場合は、消費生活センターや専門機関に相談し、適切な対応を取るようにしましょう。
トラブルが起こった時はどうするの?
シロアリ駆除においてトラブルが発生した場合、消費者は自身の権利を守るためにどのような行動を取るべきでしょうか。
トラブルにはさまざまな形がありますが、共通して重要なのは、事態を悪化させないためにも冷静な対応を心がけることです。まず、業者とのコミュニケーションを取り、問題の解決を図ることが基本となります。
しかし、業者の対応が不十分である場合や、合意に至らない場合は、法的な手段や外部機関への相談を検討する必要があります。消費者センターや弁護士、地方自治体が提供する相談窓口など、利用できるリソースは多岐にわたります。
特に、悪徳業者による被害の場合は、早急に適切な機関に相談し、他の消費者への警告や情報共有も重要な行動となります。
また、契約書や見積もり、業者とのやりとりを記録したメールや書類など、証拠となるものはすべて保管しておくことが、問題解決に向けて有効です。
解決策1:クーリングオフの活用
シロアリ駆除の契約においてトラブルが発生した際、消費者は「クーリングオフ」制度を活用することができます。
クーリングオフとは、特定の条件下で契約を締結した後に、一定期間内であれば無条件で契約を解除できる制度のことを指します。シロアリ駆除サービスにおけるクーリングオフ適用期間は、契約日を含めて8日間とされています。
この期間内であれば、消費者は書面による通知を業者に送付することで、契約を解除することが可能です。クーリングオフを行う際は、記録が残るように内容証明郵便で通知を送ることが推奨されます。
ただし、業者からの訪問販売による契約や電話勧誘など、特定商取引法が定める条件に該当する場合に限られるため、契約時の状況を正確に把握し、適用可能かどうかを確認することが重要です。
クーリングオフが適用できないケースでは、他の法的措置や相談窓口への対応を検討する必要があります。
参考情報:関西消費者協会
解決策2:消費者センターへの相談
シロアリ駆除に関するトラブルに遭遇した場合、消費者センターへの相談が有効な解決策となり得ます。
消費者センターは、消費者の権利を守るための公的な支援機関であり、商品やサービスに関する様々なトラブルに対応しています。相談は無料で行われ、法的な助言や解決策の提案を受けることができます。
シロアリ駆除の契約に関する問題、不当な料金請求、施工の不備など、幅広い問題に対して専門的なアドバイスを得ることが可能です。
特に、日本シロアリ対策協会などの専門機関には、シロアリに特化した消費者相談窓口が設けられており、より具体的な支援を受けられる可能性があります。
トラブルに遭遇した際は、早めに消費者センターや関連専門機関へ相談することで、適切な解決策を見つける手助けになります。
参考情報:シロアリ対策協会消費者相談窓口
解決策3:トラブルが少ない信頼できる業者の検討
シロアリ駆除を依頼する際は、トラブルが少なく信頼できる業者を選ぶことが重要です。信頼できる業者の選定基準として、まず日本シロアリ対策協会などの業界団体に加盟しているかどうかを確認します。
加盟業者は一定の基準を満たしており、信頼性の高い薬剤を使用していることが多いです。また、実績や口コミ、評判を確認することも大切です。過去の施工事例や顧客のレビューをチェックし、サービスの質や顧客満足度を判断しましょう。
さらに、見積もりや契約書の明確さ、説明の丁寧さなども、業者選定の際の重要なポイントです。信頼できる業者は、消費者の疑問に対して適切に回答し、契約内容を明確に説明します。
また、施工後のアフターサービスや保証制度が整っているかも確認し、万が一のトラブルに備えた業者選びを心がけましょう。
シロアリ被害は安心できる業者を選ぶことができれば、家をしっかりと守ることができます!
隣人とのトラブルになってしまうケース
シロアリ駆除作業は、自宅のみならず、周囲の環境や隣人との関係にも影響を及ぼす可能性があります。
特に、作業に伴う騒音や薬剤の使用は、近隣住民とのトラブルの原因となることがあります。また、駆除作業後にシロアリが隣の家に移動し、新たな被害を引き起こすことへの懸念から、隣人との間に不信感が生まれるケースもあります。
シロアリは、特性上「群飛」と言う集団移動を行うことがあります。つまり、たくさんのシロアリが飛び立つため、隣人としては、気になってしょうがないと言う心境です。
このようなトラブルを防ぐためには、事前に隣人へ駆除作業の計画を説明し、理解と協力を求めることが重要です。駆除作業の範囲や使用する薬剤、作業にかかる時間など、具体的な情報を共有することで、不安や誤解を解消し、スムーズな作業実施へとつながります。
また、作業中や作業後の環境管理にも配慮し、隣人への配慮を忘れないようにしましょう。
新築でもシロアリ被害?:実際にあったケース1
新築の家庭でさえ、シロアリ被害は起こり得ます。実際のケースとして、新築された土間コンクリートの家で、配管にビスが刺さり漏水した事例があります。
その漏水によってシロアリ防除に用いられた薬剤が溶け出し、結果として配管とコンクリートの隙間から木材へとシロアリが侵入しました。発見されたのは2ヶ月後で、その時には1階部分の通し柱の1.5メートルにわたって侵入していました。
このケースから学ぶべきことは、新築であっても建築中のミスや不注意によってシロアリ被害が発生するリスクがあるということです。新築時のチェックポイントとして、配管の確認や防蟻処理の適切な施工を徹底することが、シロアリ被害を未然に防ぐ鍵となります。
早期の発見と対策が、新築住宅をシロアリの脅威から守るためには不可欠です。
関連記事:シロアリは新築でも稀に発生する!実際のケースと原因を解説
新築でもシロアリ被害?:実際にあったケース2
アメリカカンザイシロアリは、特に都市部での被害が報告されており、その独特の砂粒状の糞が特徴的です。この種のシロアリは、群飛を行い新たな生息地を探す習性があり、その際には高い場所への侵入も辞さないことが知られています。
例えば、6月ごろに古民家から群飛したアメリカカンザイシロアリが、新築住宅の2階部分から侵入した事例があります。
通常、シロアリが侵入すると想像されるのは地下や1階部分ですが、このケースでは2階の階段の踊り場でアメリカカンザイシロアリのフンが発見されました。これは、シロアリが建物の高い位置にも容易にアクセスできることを示しており、従来の予防策だけでは不十分かもしれません。
このように2階から侵入された場合、通常の点検ルーティンでは見落としがちな部分にも注意を払う必要があります。建物の全体、特に屋根裏や2階部分の窓枠、換気口など、シロアリが侵入しやすい箇所を定期的にチェックすることが重要です。
この事例から学ぶべきは、シロアリの侵入経路とされる場所にとらわれず、家全体を守るための予防策と点検が必要であるということです。
関連記事:シロアリは新築でも稀に発生する!実際のケースと原因を解説
シロアリは隣の家に逃げ込むの?
シロアリ駆除作業の際にしばしば懸念されるのが、シロアリが隣の家に逃げ込んでしまうことです。
この懸念は、特にアメリカカンザイシロアリの場合、その可能性が高くなります。アメリカカンザイシロアリは、非常に繁殖力が強く、広範囲にわたってコロニーを拡大することが知られています。
そのため、一軒の家で駆除作業を行っても、周囲の家にコロニーが拡がっている場合、被害が移行する可能性があります。一方で、「イエシロアリ」や「ヤマトシロアリ」の場合は、そのような心配は比較的少ないとされています。
これらの種類は、主に自宅内や直接的な接触がある木材に被害を及ぼすため、隣の家に移動することは少ないです。
しかし、どの種類のシロアリであっても、駆除作業は周囲の環境に配慮し、必要であれば周辺住宅も含めた総合的な駆除計画を立てることが望ましいでしょう。
日本に生息する3種類のシロアリ
日本には主に3種類のシロアリが生息しており、それぞれが異なる環境で活動し、異なる特徴を持っています。
これらのシロアリは、ヤマトシロアリ、イエシロアリ、そしてアメリカカンザイシロアリです。それぞれのシロアリについて詳しく見ていきましょう。
シロアリの種類 | 群飛のシーズン | 特徴 |
---|---|---|
イエシロアリ | 6月から7月の夕暮れ時 | 乾燥した環境でも生き延びる能力を持ち、建築物への被害が顕著。巣は数十万から数百万の個体で構成される。 |
ヤマトシロアリ | 4月から5月の雨の後 | 地中や湿った木材に生息し、日本の温帯地域に広く分布。個体数は少なめだが、群れが形成されると被害は急速に広がる。 |
アメリカカンザイシロアリ | 6月から10月の間の日中 | 乾燥した木材に生息し、独特の砂粒状の糞が特徴。都市部での被害が多く、被害が進行している場合が多い。 |
ヤマトシロアリの場合
ヤマトシロアリは、日本で最も一般的に見られるシロアリの一種です。
この種の特徴として、その活動範囲が比較的狭い、数メートル程度に限られている点が挙げられます。ヤマトシロアリは加害箇所に巣を作る傾向があり、遠くにある巣まで戻る必要がないため、被害は局所的に留まりやすいです。
この性質により、広い郊外の住宅地においては、隣の家から直接シロアリが侵入してくる可能性は低いと言えます。ただし、隣家が非常に近い狭小地では、一つの巣から複数の建物に被害を及ぼしているケースも考えられるため、予防措置は怠らないことが重要です。
ヤマトシロアリによる被害を防ぐためには、定期的な点検と、湿気を避けるための適切な環境管理が効果的です。
イエシロアリの場合
イエシロアリは、その巣が半径100m以内に存在する場合、周辺の住宅全てが被害を受ける可能性があると言われています。
この種は土の中から建物に侵入することが多く、見た目には気づきにくい侵入経路を通じて静かに被害を拡大させます。イエシロアリの侵入を防ぐためには、家の周りの土壌管理に注意を払うことが重要です。
また、家の基礎部分の定期的な検査を行い、隙間や亀裂を通じて侵入されないよう対策を講じる必要があります。
イエシロアリに対する予防策としては、防蟻処理を施した木材の使用や、家の周囲に防蟻剤を散布することが挙げられます。
【要注意!】アメリカカンザイシロアリ
アメリカカンザイシロアリは、住宅の柱や家具、下地材など、乾燥した木材でも巣を作る能力があるため、特に警戒が必要です。
羽アリとして飛翔し、木材に穴を開けて巣を作ります。
このシロアリの被害は、乾材シロアリとしても知られ、その侵入方法は「飛んで入ってくる」という点で他のシロアリとは一線を画します。
しかし、アメリカカンザイシロアリの生息エリアは日本では限られており、大部分の地域ではその被害に遭遇する可能性は低いです。生息している地域においては、羽アリの飛翔期に特に注意が必要で、窓や扉の隙間を塞ぐなどの対策が推奨されます。
また、定期的な建物の点検を行い、早期発見・早期対処を心掛けることが重要です。
関連記事:アメリカカンザイシロアリとは?生態と被害状況を徹底調査
シロアリは自然消滅するの??
シロアリ群れが自然に消滅するまでの時間は、種類や環境条件によって異なります。例えば、食物源が豊富な場所では、シロアリ群れは長く生存し、大きく成長することがあります。
一方で、食物源が枯渇したり、駆除剤や環境の変化の影響を受けたりすると、群れは衰退しやすくなります。しかし、一般的な家庭環境では、これらの条件が自然にそろうことは稀であり、シロアリ群れの自然消滅を期待するのは現実的ではありません。
シロアリは、30年ほど生きる種類もあります。自然に消滅する可能性は、0%に近いと言われています。
関連記事:シロアリの寿命は30年!生態について
嫌な思いをしたくない!シロアリ駆除業者の選び方
せっかく、シロアリを駆除したのにトラブルを抱えるのは嫌!トラブルを回避するにはポイントがあります!
適切なシロアリ駆除業者を選ぶには、いくつかのポイントを考慮する必要があります。
まず、業者が持つ資格や認定を確認しましょう。公的な認定を受けた業者は、信頼性が高く、専門的な知識と技術を有しています。次に、実績や口コミをチェックすることも重要です。過去の顧客のフィードバックや評価は、業者のサービスの質を判断する上で役立ちます。
また、駆除方法や使用する薬剤の種類、保証内容などを事前に明確にしておくことも大切です。明確な見積もりと契約内容を提供する業者を選ぶことで、後々のトラブルを避けることができます。
さらに、アフターサービスや定期的な点検サービスを提供しているかも確認すると良いでしょう。これらのポイントを基に、複数の業者を比較検討し、最も適したシロアリ駆除業者を選びましょう。
自分のエリアでおすすめのシロアリ駆除業者を調査していますので、参考にしてみて下さい。
九州・沖縄エリア | おすすめシロアリ業者
中国・四国エリア | おすすめシロアリ業者
近畿エリア | おすすめシロアリ業者
中部エリア | おすすめシロアリ業者
関東エリア | おすすめシロアリ業者
北海道・東北エリア | おすすめシロアリ業者
定期点検の目安と時期
シロアリ駆除は専門的な技術を要します。目に見える被害が少なくても、床下が大変なことになっているケースもあります。
新築住宅のシロアリ対策における定期点検は、住宅の状態を維持し、長期にわたる被害を防ぐために不可欠です。
点検の目安としては、新築後の最初の2~3年は年に1度、その後は2年に1度の点検を推奨します。
特に春から夏にかけてはシロアリの活動が活発になるため、この時期に点検を行うことが理想的です。点検では、床下の湿度や木材の状態、基礎の隙間など、シロアリが侵入しやすい環境を重点的にチェックします。
以前にシロアリ被害があった場合や周囲にシロアリ被害の報告が多い地域に住んでいる場合は、より頻繁な点検が必要になることがあります。専門家による定期点検を通じて、初期の被害を発見し、適切な対策を講じることで、シロアリ被害を効果的に防ぐことができます。
関連記事:シロアリ駆除の一軒家値段を徹底調査!失敗しないためのポイント!
シロアリ駆除業者を検討するなら
シロアリ駆除業者を選ぶ際には、その業者の経験、実績、提供するサービスの質を慎重に評価することが重要です。信頼できる業者を選ぶために、事前に複数の業者から見積もりを取り、サービス内容や保証期間、費用などを比較検討します。
口コミやレビューを参考に、過去の顧客の満足度や業者の対応を確認することも有効です。選定した業者には、シロアリの発生状況の詳細な診断と、対策計画の提案を依頼し、その方法が自宅の状況に適しているかを検討する必要があります。
作業後のアフターサービスや定期点検の提供があるかどうかも、選定の重要なポイントとなります。専門の知識と技術を持つ信頼できるシロアリ駆除業者を選ぶことで、効果的なシロアリ対策を実施し、住宅を守ることが可能となります。
関連記事:おすすめシロアリ駆除業者ランキング!全国300社を徹底調査
シロアリ被害は一度の駆除で完全に終わるものではありません。継続して依頼できるとこに頼むようにしましょう。
監修者コンテンツの監修をした人
クロモリ ユウキ
air Inc.代表。マーケティング会社を経営しています。地方企業を支援しています。市場調査のガイドラインを監修。
シロアリ博士
シロアリ防除施工士。シロアリ会社に勤務しながらシロアリの生態の情報発信をしています。シロアリに関する情報を監修。
岳下斉弘
株式会社サクセス代表。建築設計会社を経営する設計士。リノベーション協議会会員。住宅に関する情報の監修。
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