解説の目的
建築物のシロアリ及び木材腐朽菌による被害の調査、予防または駆除を適正かつ安全に行い、消費者に信頼され、公共の福祉に寄与することを目的としています。
維持管理型しろあり防除工法標準仕様書
概要
この仕様書は、建築物の劣化を軽減するために、公益社団法人日本しろあり対策協会に登録されたしろあり防除施工士が行う、しろあり防除工法に関する標準的な規定です。施工初期だけでなく、その後も維持管理を続ける工法が対象です。新築や既存建築物の防除処理標準仕様書に記載されていない内容は、この仕様書に準じます。
対象とするしろありの種類
- 主にヤマトシロアリとイエシロアリの2種類、もしくはどちらか一方が対象です。
工法や薬剤
- 使用される工法や薬剤は、協会に登録されたものに限ります。
施工方法
- 各工法に応じて、施工方法は別途定められます。
記録の保存
施工者は、以下の情報を記録として保存します(保存期間は別途定められる)
- 建築物の名称、所有者、住所。
- 処理の年月日。
- 建築物の平面図及び施工箇所。
- 使用した薬剤や工法の名称、施工方法。
- 施工担当者の氏名。
安全対策と注意事項
- 施工時は、「安全管理基準」を遵守し、作業者の健康管理、事故防止、環境汚染防止に努めます。
本仕様書外の取り扱い
- この仕様書に定められていない事項でも、協会が認めたものは、同様に実施可能です。
「維持管理型ベイト工法」の仕様書
概要
- 目的: 維持管理型ベイト工法は、シロアリの防除を目的とし、ベイト剤(特定の誘引剤や毒物を含む餌)を使用して、施工当初および施工後のシロアリのコロニー(群れ)を駆除する方法です。
- 適用範囲: この工法は新築予防および既存建築物の駆除に適用されます。
対象となるシロアリの種類
- ヤマトシロアリとイエシロアリの2種類、またはどちらか一方。
ベイト工法とその管理
- ベイト工法: 協会に登録されたベイト工法のみを使用します。
- ベイト工法管理者: 施工業者はベイト工法管理者を置く必要があり、この管理者はシロアリ防除施工士の資格を持ち、製造メーカーの教育カリキュラムに基づいた講習試験の合格者である必要があります。
記録の保存
- 施工された建築物に関する記録を保存する必要があり、内容には餌木やベイト剤の配置図、点検結果、その他特記すべき事項が含まれます。
「維持管理型ベイト工法」の手順
- 事前調査: 対象建築物の周囲状況やシロアリの生息状況を調査し、施工計画を作成します。
- 容器の設置: シロアリが活動しやすい場所を選定し、建築物の周囲に配置します。設置後、餌木をセットします。
- 定期点検: 定期的に訪問し、容器内のシロアリの活動状況を記録します。
- ベイト剤の投与とコロニー絶滅: シロアリの生息が確認されたら、ベイト剤を投与します。コロニーが根絶されたことが確認できたら、ベイト剤を回収し、再度定期的に点検します。
保管・取り扱い上の注意事項
- 容器、ベイト剤、餌木の保管: これらのアイテムは他のシロアリ防除剤と接触しないように保管します。これにより、薬剤の混合や反応を防ぎ、安全性を確保します。
- 保管場所: 容器、ベイト剤、餌木を室温で乾燥した場所に保管します。これにより、薬剤の劣化を防ぎ、効果を維持します。
- 取り扱い: これらを取り扱う際は手を洗浄し、必要に応じてラテックス製などの手袋を使用します。これは、薬剤やベイト剤から肌を保護するためです。
運搬上の注意事項
- 運搬時の保管: 容器、ベイト剤、餌木は専用の容器に入れ、他の薬剤と接触しないように運搬します。
- 積み下ろし時の注意: 機材や器具の破損を防ぐため、搬車への積み下ろし時には慎重に取り扱います。
安全対策
- 回収したベイト剤の処理: シロアリが食べ残したベイト剤は、適切に産業廃棄物として処理します。
- ベイト剤の使用: ベイト剤は、土壌と直接接触しないよう容器に入れて使用します。
- ベイト剤の取り扱い: ベイト剤の取り扱いについては、その包装容器に記載されているラベルの指示に従います。
- その他の安全対策: 協会規定の「安全管理基準」に従って行います。
特記事項
- 本仕様書に定められた方法以外の場合は、特別な記載によって対応します。
クロモリ ユウキ
air Inc.代表。マーケティング会社を経営しています。地方企業を支援しています。市場調査のガイドラインを監修。
シロアリ博士
シロアリ防除施工士。シロアリ会社に勤務しながらシロアリの生態の情報発信をしています。シロアリに関する情報を監修。
岳下斉弘
株式会社サクセス代表。建築設計会社を経営する設計士。リノベーション協議会会員。住宅に関する情報の監修。