シロアリは新築でも稀に発生する!実際のケースと原因を解説

新築住宅でのシロアリの侵入のケースと実例

シロアリ被害と聞くと、多くの人が古くなった家や長年放置された建物を思い浮かべるかもしれません。しかし、実は新築の家でもシロアリの脅威は存在します。新しい家でさえ、シロアリにとって魅力的な環境になり得るのです。

この現実は多くの家庭にとって予想外かもしれませんが、実際に新築住宅でシロアリ被害が報告されています。その背後には、建築中のミスや不注意、自然環境の影響など、さまざまな原因が潜んでいます。

例えば、配管の取り付けミスによる漏水がシロアリを引き寄せるケースや、自然環境の中で新築された家が、すでにシロアリにとって魅力的な場所となっている事例などがあります。

この記事では、新築住宅でもシロアリが発生する稀ではあるが現実的なケースと、その背後にある原因を詳しく解説します。

新築の家を建てる際、または購入したばかりの方がシロアリのリスクを理解し、適切な対策を講じるための重要な情報を提供することを目的としています。

この記事でわかること
  • 新築の家であっても、建築中のミスや自然環境の影響などによりシロアリ被害が発生するリスクがあること。
  • 特にアメリカカンザイシロアリの例では、2階から侵入するケースもあり得ること。
  • 新築時だけでなく、長期にわたる適切な管理と定期的な点検が不可欠であること。
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シロアリ博士

しろあり防除施工士/シロアリ駆除業者勤務15年 これまで、シロアリ駆除を100件担当した経験がります。シロアリに関する情報を監修しております。

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    クロモリ ユウキ

    1989年福岡市生まれ 2023年1月air Inc.を設立/web歴15年/マーケティング歴5年 建築学部卒。大学在籍中からwebマーケティングを研究し、2020年webメディアを事業譲渡。2022年までプライム上場企業マーケティング部にパートナーメンバーとして在籍。地方でマーケティングをやっています。

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      建築事務所タケシタ代表

      長崎市で建築会社を経営。二級建築事務所として、設計や建築の監修を行っています。当メディアでは、建築情報に関する監修を行いながら、外壁の劣化やシロアリから建築を守るための情報発信に貢献しています。監修メディア:「外壁ビフォーアフター」「シロアリバスターズ」

        シロアリ博士
        シロアリ博士

        シロアリに関して全く知識がない方でも理解できるように、基本から丁寧に説明していきます。シロアリによる被害を最小限に抑えるために、どのような点に注意すべきか、具体的なアドバイスも交えながら解説していきます。

        新築でもシロアリは発生するの?

        バスターレッド
        バスターレッド

        シロアリと高温多湿環境は、相性が良く環境がしっかりと管理されてないと床下で繁殖することがあります。

        新築の家でも、シロアリの被害は免れません。一般的に新築と聞くと、シロアリの心配はないと考えがちですが、実際には違います。シロアリは新しい木材も古い木材も区別せず、湿度や環境が適していればどこにでも巣を作る能力を持っています。

        特に、羽アリを目撃した場合、それはシロアリが近くにいる大きなサインです。

        羽アリは、シロアリのコロニーが成熟し、新たな巣を作るために飛び立つ成虫です。この事実からも、新築の家でもシロアリの脅威からは安全ではないことが理解できます。

        経過年数木造在来工法木造プレハブ2×4工法
        03.3%0.0%
        16.5%0.0%7.1%
        25.5%5.6%
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        49.1%15.4%
        55.9%33.3%0.0%
        66.5%0.0%10.0%
        75.9%12.5%
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        919.4%7.1%
        1011.7%0.0%0.0%
        1112.7%100.0%4.2%
        1217.2%0.0%0.0%
        1319.5%0.0%0.0%
        1413.9%100.0%33.3%
        1514.9%0.0%0.0%
        1633.3%0.0%0.0%
        1713.0%100.0%
        1814.8%0.0%
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        2045.0%100.0%
        2140.0%0.0%0.0%
        2225.0%
        2318.2%100.0%
        2453.3%0.0%
        2513.6%
        2642.9%0.0%0.0%
        2723.1%0.0%
        2850.0%
        2937.5%
        3016.7%
        310%
        3233.3%
        33100%
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        105100%
        10822.2%33.3%0.0%

        このテーブルは、保証切れからの経過年数に応じた木造在来工法、木造プレハブ、2×4工法のシロアリ被害発生率を示しています。経過年数が増加するにつれて、特に木造在来工法での被害発生率が高くなる傾向が見られます。また、木造プレハブと2×4工法では、特定の年数で被害発生率が高くなる傾向があります。

        関連記事:シロアリ調査データ

        新築時に行われているシロアリ対策

        新築の家を建てる際には、シロアリ対策が欠かせません。建築前の土壌処理は、その主要な方法の一つです。

        この処理によって、土壌に薬剤を散布し、シロアリが建物に侵入することを防ぎます。また、基礎となる部分に防蟻シートを敷くこともあり、これによりシロアリの侵入を物理的に阻止します。

        しかし、これらの処理にも有効期限があり、完全な防御策ではありません。防蟻処理の効果は時間とともに減少し、定期的な点検と補修が必要になります。

        そのため、新築時のシロアリ対策は、始まりに過ぎないという認識が重要です。

        通常行われる防蟻処理

        新築建築物におけるシロアリ防除には、主に化学的な防蟻処理が採用されます。

        これには、土壌処理と木部処理の二つがあります。土壌処理では、建物の基礎周りに特定の薬剤を散布し、シロアリが侵入するのを防ぎます。この処理は、シロアリが好む湿った土壌を通過する際に、薬剤に触れることで死滅させることを目的としています。

        木部処理では、木材に直接薬剤を塗布することで、シロアリによる木材の食害を防ぎます。

        さらに、防蟻シートの使用も一般的です。これは物理的障壁として機能し、シロアリの侵入を防ぐために基礎の下や床下に敷設されます。これらの処理は、シロアリ被害を最小限に抑えるために非常に有効ですが、完全な防御を保証するものではありません。

        通常行われる防蟻処理の方法は大きく分けて「化学的防蟻処理」と「物理的防蟻処理」があります。これらの方法は、シロアリから建物を守るために新築時や既存建物に施される対策です。以下に、それぞれの特徴と適用例をまとめました。

        防蟻処理の種類特徴適用例
        化学的防蟻処理土壌に化学薬剤を散布し、シロアリが建物に侵入するのを防ぐ。長期間の効果が期待できる。新築住宅の基礎周り、既存住宅の床下や土壌。
        物理的防蟻処理物理的な障壁(シートやネット)を使ってシロアリの侵入を防ぐ。化学薬剤を使用しないため、環境にやさしい。新築住宅の基礎部分、配管や電線の周り。
        ベイト工法シロアリの食性を利用して特殊な薬剤を食べさせ、群れ全体を駆除する。土壌への影響が少なく、環境に優しい。庭や建物周辺の土中、建物の内部や床下。
        土壌表面皮膜形成法土壌の表面に薬剤を散布し、皮膜を形成することでシロアリの侵入を阻止する。新築住宅の基礎周りの土壌。
        熱処理高温の熱を利用してシロアリを駆除する。化学薬剤を使用しないため、環境にやさしいが、対象範囲が限られる。木材の部品や家具など、限定された範囲。

        新築時の防蟻処理の効果の期間は5年

        新築時に施される防蟻処理の効果は、施工方法や使用される薬剤の種類によって異なりますが、一般的には5年から10年の間が効果の期間とされています。

        土壌処理に使われる薬剤は時間とともに分解され、その防護効果が減少していきます。そのため、定期的な再処理が推奨されます。建物の状態や周囲の環境にも左右されるため、5年ごとの点検を行い、必要に応じて追加の処理を施すことが望ましいです。

        シロアリは、コンクリートでも簡単に突破するので厄介です。

        長期間効果を維持するためには、専門の業者による定期的な検査と維持管理が重要となり、これによりシロアリ被害のリスクを効果的に低減させることができます。

        関連記事:シロアリはコンクリートも突破する!点検方法と費用を解説

        保証が切れた期間が長いほどシロアリ発生率は上がる

        保証期間が切れた後のシロアリ発生率の上昇は、建物の維持管理状況と密接に関係しています。経過年数が増すにつれて、建物のシロアリ防除処理の効果は自然と減少し、発生率が高まります。

        特に、保証期間が終了した後に定期的な点検や再処理を怠ると、シロアリの被害に遭うリスクは大きくなります。防蟻処理の効果は一時的なものであり、時間の経過と共に薬剤の効果が薄れ、シロアリが侵入しやすい環境が形成されます。

        また、建物の老朽化もシロアリ発生のリスクを高める要因の一つです。湿気が多く、木部が腐りやすい状態は、シロアリにとって理想的な生活環境を提供します。

        このように、保証期間が経過することで、シロアリ対策の重要性はより一層高まり、建物の健全性を維持するためには、定期的な点検と適切な対策が不可欠となります。

        経過年数木造在来工法木造プレハブ2×4工法
        03.3%0.0%
        16.5%0.0%7.1%
        25.5%5.6%
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        3016.7%
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        10822.2%33.3%0.0%

        このテーブルは、保証切れからの経過年数に応じた木造在来工法、木造プレハブ、2×4工法のシロアリ被害発生率を示しています。経過年数が増加するにつれて、特に木造在来工法での被害発生率が高くなる傾向が見られます。また、木造プレハブと2×4工法では、特定の年数で被害発生率が高くなる傾向があります。

        シロアリ対策を10年してない家は注意

        シロアリ対策は一度施工したら終わりではなく、その効果は徐々に減衰していきます。

        シロアリ対策から10年が経過している場合、その家は再度の対策が必要になります。時間が経過すると、施工された薬剤の効力が弱まり、家の状態や周囲の環境変化により、再びシロアリのリスクが増大します。

        築年数が15年を経過した木造の建物の場合、平均して30%がシロアリの被害があると言われています。

        畳がある和室のある家では、畳やその周辺の湿度管理と定期的なシロアリ対策が特に重要です。長期間シロアリ対策をしていない家は、専門業者による床下の調査や、必要に応じて対策の再施工を考えましょう。

        早期にシロアリを発見し対応することで、大きな被害を防ぐことができます。

        関連記事:シロアリ調査データ

        経過年数5年以内は6%〜10%で発生している

        新築後5年以内のシロアリ発生率は、建築方法によって差がありますが、おおむね6%から10%の範囲内に収まります。特に、木造在来工法の場合、3年目には約9.2%、4年目には約9.1%と、比較的早い段階でシロアリ被害の報告が増加します。

        これに対し、木造プレハブや2×4工法では、初期の数年間は発生率が0%に近いものの、時間の経過とともに徐々に発生率が上昇していきます。

        5年目に33.3%と急増するケースもあり、建築材料や構造によってシロアリ対策の効果に差が生じることが分かります。これらのデータから、新築直後からシロアリ対策を怠らず、定期的な点検を行うことの重要性が明らかになります。

        早期発見と対策が、シロアリ被害を抑える鍵となります。

        関連記事:シロアリ調査データ

        経過年数10年以内は10%〜で発生している

        経過年数が10年を迎えると、シロアリの発生率は顕著に上昇します。特に、木造在来工法では約11.7%に達し、建物の構造や使用される材料によって差が出ることが明らかです。

        この時期になると、初期の防蟻処理の効果が大幅に低下しているため、シロアリ被害が増加するのは避けられません。特に、保守管理が不十分な建物では、シロアリ被害のリスクがさらに高まります。

        湿気の管理、木部の腐朽状態のチェック、定期的な防蟻処理の再実施などが怠られた結果、シロアリが侵入しやすい環境が整ってしまいます。1

        0年という時間は、建物にとってシロアリ対策を再考し、必要な措置を講じるための重要な節目となります。

        関連記事:シロアリ調査データ

        経過年数15年以内は30%〜で発生している

        経過年数が15年になると、シロアリ発生率はさらに増加し、特に木造プレハブや2×4工法の建物では、発生率が100.0%や33.3%と極めて高い数字を示します。

        これは、防蟻処理の効果が時間と共に減衰し、建物の老朽化が進むことによるものです。この期間になると、建物の隅々までシロアリのチェックを行い、発見された場合は迅速に対策を講じることが必須です。

        15年を超える建物では、特に床下の湿気や換気の悪さ、直接地面に接する木材の使用など、シロアリが好む条件が揃っていることが多いです。

        このような条件下では、シロアリの被害を受けやすく、積極的な予防措置と定期的な点検が重要となります。15年以上経過した建物では、シロアリ防除の専門家による詳細な診断と、適切な防除策の実施が強く推奨されます。

        関連記事:シロアリ調査データ

        羽アリ出現!これってシロアリ?

        羽アリの出現は多くの家庭にとって不安の種です。特に新築の家で羽アリを目撃すると、シロアリの存在を疑います。

        しかし、羽アリはシロアリだけでなく、アリの一種でもあります。羽アリの出現が直接的にシロアリ被害を意味するわけではありませんが、シロアリの羽アリは新しい巣を作るためのサインとされています。

        シロアリの羽アリは通常、温暖な時期に大量に発生し、春から初夏にかけてよく見られます。家の中や周辺で羽アリを発見した場合、それがシロアリのものかどうか識別することが重要です。

        シロアリの羽アリは比較的大きめで、腹部と胸部がくっついているように見える特徴があります。このような羽アリを見つけた場合は、専門の駆除業者に相談することをお勧めします。早期発見と適切な対応がシロアリ被害を未然に防ぐ鍵となります。

        関連記事:羽アリ・シロアリの大量発生の原因とサイクル!発生した場合の対処法

        羽アリが大量発生する時期

        羽アリが大量に発生する時期は、主に春から夏にかけての暖かい季節です。

        この期間、シロアリを含む多くのアリ種が繁殖活動を行い、新たなコロニーを形成するために羽アリを放出します。シロアリの場合、特に温度が20度以上の日が続く春の終わりから初夏にかけて、群飛と呼ばれる現象が発生しやすくなります。

        この群飛はコロニー内の生殖能力を持つ成虫が新たな生息地を求めて一斉に飛び立つものです。日本では地域によって多少の違いはありますが、4月下旬から6月にかけて羽アリが最も多く見られる時期となっています。

        建物の中や周辺で羽アリを見かけたら、その時期がシロアリの群飛の可能性が高い時期かどうか考慮し、シロアリかどうかを識別するための注意を払う必要があります。正確な識別と迅速な対策がシロアリ被害を防ぐためには不可欠です。

        シロアリの種類ごとに群飛のシーズンをまとめると以下のようになります。

        シロアリの種類群飛のシーズン特徴
        イエシロアリ6月から7月の夕暮れ時乾燥した環境でも生き延びる能力を持ち、建築物への被害が顕著。巣は数十万から数百万の個体で構成される。
        ヤマトシロアリ4月から5月の雨の後地中や湿った木材に生息し、日本の温帯地域に広く分布。個体数は少なめだが、群れが形成されると被害は急速に広がる。
        アメリカカンザイシロアリ6月から10月の間の日中乾燥した木材に生息し、独特の砂粒状の糞が特徴。都市部での被害が多く、被害が進行している場合が多い。

        関連記事:日本に生息している3種類のシロアリの見分け方

        関連記事:イエシロアリとは?生態と被害状況を徹底調査

        関連記事:ヤマトシロアリとは?特徴と危険性を徹底調査

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        心配になったらどうしたらいいの?

        羽アリを見つけて心配になったら、まずは落ち着いて正しい判断をすることが重要です。

        羽アリがシロアリであるかどうかを確認するために、以下のステップを踏むことをお勧めします。まず、羽アリの特徴を観察し、シロアリと他のアリとを区別します。

        シロアリの羽アリは、腹部と胸部が密接に接しているように見え、アンテナが直線的ではなく、若干曲がっています。次に、家の中や周辺で羽アリが見つかった場所をチェックし、木材の腐食や穴などシロアリの痕跡がないか確認してください。

        もしシロアリの存在が疑われる場合は、速やかに専門の駆除業者に相談することが最善の対策です。プロの診断を受けることで、正確な状況を把握し、適切な対応を取ることができます。

        自己判断での対応は避け、早期に専門家の意見を仰ぐことが、シロアリ被害を最小限に抑えるためには重要です。

        関連記事:羽アリ・シロアリの大量発生の原因とサイクル!発生した場合の対処法

        湿気が多い地域におけるシロアリ予防策

        湿気が多い地域では、シロアリの発生リスクが高まります。そのため、予防対策を徹底することが重要となります。

        まず、家の周囲の排水状況を改善し、地面の湿度が高くなりすぎないようにすることが基本です。床下の換気を良くするために、適切な通気口の設置や換気扇の使用を検討してください。

        また、建物の基礎や床下に水が溜まらないように、適切な防水措置を施すことも大切です。さらに、木材を地面から離して設置するなど、シロアリが侵入しにくい建築方法を採用することも有効な対策となります。

        定期的な建物の点検を行い、小さなひび割れや隙間を見つけたら、すぐに修理して侵入経路を塞ぐことが大切です。これらの対策を継続的に行うことで、湿気が多い地域でもシロアリのリスクを大幅に低減させることが可能です。

        バスターブルー
        バスターブルー

        シロアリ被害は時として深刻なものとなります。シロアリが出てきているのに放置をしていると、取り返しがつかないことになり、最悪の場合は大規模なリフォームが必要になるケースもあります。

        関連記事:砂粒のような形のフン!アメリカカンザイシロアリの糞かも!

        新築でもシロアリ被害?:実際にあったケース1

        新築の家庭でさえ、シロアリ被害は起こり得ます。実際のケースとして、新築された土間コンクリートの家で、配管にビスが刺さり漏水した事例があります。

        その漏水によってシロアリ防除に用いられた薬剤が溶け出し、結果として配管とコンクリートの隙間から木材へとシロアリが侵入しました。発見されたのは2ヶ月後で、その時には1階部分の通し柱の1.5メートルにわたって侵入していました。

        このケースから学ぶべきことは、新築であっても建築中のミスや不注意によってシロアリ被害が発生するリスクがあるということです。新築時のチェックポイントとして、配管の確認や防蟻処理の適切な施工を徹底することが、シロアリ被害を未然に防ぐ鍵となります。

        早期の発見と対策が、新築住宅をシロアリの脅威から守るためには不可欠です。

        新築でもシロアリ被害?:実際にあったケース2

        アメリカカンザイシロアリは、特に都市部での被害が報告されており、その独特の砂粒状の糞が特徴的です。この種のシロアリは、群飛を行い新たな生息地を探す習性があり、その際には高い場所への侵入も辞さないことが知られています。

        例えば、6月ごろに古民家から群飛したアメリカカンザイシロアリが、新築住宅の2階部分から侵入した事例があります。

        通常、シロアリが侵入すると想像されるのは地下や1階部分ですが、このケースでは2階の階段の踊り場でアメリカカンザイシロアリのフンが発見されました。これは、シロアリが建物の高い位置にも容易にアクセスできることを示しており、従来の予防策だけでは不十分かもしれません。

        このように2階から侵入された場合、通常の点検ルーティンでは見落としがちな部分にも注意を払う必要があります。建物の全体、特に屋根裏や2階部分の窓枠、換気口など、シロアリが侵入しやすい箇所を定期的にチェックすることが重要です

        。この事例から学ぶべきは、シロアリの侵入経路とされる場所にとらわれず、家全体を守るための予防策と点検が必要であるということです。

        新築住宅のシロアリチェックポイント

        新築住宅においてシロアリ被害を未然に防ぐためには、特定のチェックポイントを定期的に確認することが重要です。

        まず、床下や基礎部分の湿気をチェックし、不必要な水分がないかを確認します。湿気はシロアリを引き寄せる主要な原因の一つです。外壁や土台と地面との接触部分にシロアリの侵入経路がないか、または腐食や損傷が生じていないかを確認することも重要です。

        換気口や通気孔が塞がれていないか、または湿気が籠もりやすい場所には特に注意が必要です。木材を使用している部分、特に床下や屋根裏、壁内など、目に見えない部分にも注意を払い、定期的に専門家による点検を受けることをお勧めします。

        これらのポイントを定期的にチェックすることで、シロアリ被害のリスクを減らし、家を長持ちさせることができます。

        初期症状が確認しやすい場所

        新築住宅におけるシロアリ被害の初期症状を見つけることは、早期対策を講じるために非常に重要です。特にチェックすべき場所は、床下、基礎の周り、および木材が使用されている場所全般です。

        床下はシロアリが好む湿気がたまりやすく、食害の初期サインが現れやすい場所の一つです。基礎周りや壁の低い部分も、シロアリが侵入しやすいため注意が必要です。

        窓枠やドア枠など、木材の接合部や隙間もチェックポイントです。

        これらの部分に粉末状のものが見つかる場合や、木材が異常に軽くなっている、音をたてて叩くと空洞のような音がするなどの症状が見られた場合は、シロアリ被害の可能性があります。

        早期発見のためにも、これらの場所を定期的に確認し、異常が見られたらすぐに専門家に相談することが推奨されます。

        設置場所特徴・説明
        基礎の立ち上がり部分地面から建物へ続く部分で、湿気が集まりやすく、シロアリが侵入しやすい。
        配管の隙間水道管やガス管、電気配線の周囲にある微小な隙間からシロアリが侵入し、蟻道を作ることがある。
        束石・床束直接地面に接しており、湿度が高い環境を好むシロアリにとって、蟻道を作りやすい場所の一つ。
        断熱材床下や壁内に施工された断熱材は、シロアリにとって理想的な隠れ場所となり得る。湿気を保持しやすい性質もシロアリの蟻道形成を促す。

        関連記事:シロアリが蟻道を作りやすい場所

        維持型のシロアリ対策のベイト工法とは?

        維持型のシロアリ対策として注目されているのがベイト工法です。

        この方法は、シロアリの食性を利用した環境に優しい対策法で、土壌に化学薬剤を散布する従来の方法と異なります。ベイト工法では、餌となる木材や紙に特殊な薬剤を含ませたベイトステーションを、土中や建物の周囲に設置します。

        シロアリがこれを食べることで、コロニー全体に薬剤が行き渡り、群れ全体を駆除します。この方法の利点は、薬剤を直接散布せずにシロアリを効率的に駆除できる点です。

        また、薬剤の使用量を減らすことで、土壌や水質への影響を最小限に抑えられます。ベイト工法は定期的なモニタリングが必要ですが、持続的なシロアリ管理が可能で、長期的な対策に適しています。

        定期的な点検がカギ:シロアリ専門家による診断

        シロアリ被害を防ぐためには、定期的な点検が非常に重要です。特に、シロアリの活動が活発になる春から初夏にかけての点検が推奨されます。コンクリートの部分に蟻道があった場合は注意が必要です。

        シロアリ専門家による診断は、見えないシロアリの活動を発見し、早期に対策を講じるための最も効果的な方法です。専門家は、建物の隅々までチェックし、シロアリの侵入経路や被害の兆候を正確に評価します。

        また、既に被害が発生している場合には、被害の範囲を把握し、適切な対応計画を提案してくれます。この定期的な点検と専門家による診断を受けることで、シロアリ被害を最小限に抑えることが可能となります。

        また、専門家は予防策としてのアドバイスも提供してくれるため、被害が発生する前に適切な対策を講じることができます。定期的な点検と専門家のアドバイスにより、住宅をシロアリの脅威から守ることが可能になります。

        関連記事:シロアリの原因と住み着く条件とは?シロアリを徹底解説!

        シロアリは自然消滅するの??

        シロアリ群れが自然に消滅するまでの時間は、種類や環境条件によって異なります。例えば、食物源が豊富な場所では、シロアリ群れは長く生存し、大きく成長することがあります。

        一方で、食物源が枯渇したり、駆除剤や環境の変化の影響を受けたりすると、群れは衰退しやすくなります。しかし、一般的な家庭環境では、これらの条件が自然にそろうことは稀であり、シロアリ群れの自然消滅を期待するのは現実的ではありません。

        シロアリ博士
        シロアリ博士

        シロアリは、30年ほど生きる種類もあります。自然に消滅する可能性は、0%に近いと言われています。

        関連記事:シロアリの寿命は30年!生態について

        新築でもシロアリが発生するケース

        バスターブルー
        バスターブルー

        建築の施工時のミスで、防蟻処理された液剤が溶け出して、シロアリに効かなかったケースです。

        新築の家庭でもシロアリ被害は起こり得ます。

        一例として、新築された土間コンクリートの家で配管にビスが刺さり、漏水が発生したケースがあります。この漏水により、シロアリ防除に使用された薬剤が溶け出し、結果的に配管とコンクリートの隙間から木材へシロアリが侵入しました。

        発見されたのは2ヶ月後で、1階部分の通し柱の1.5メートルにわたって侵入していました。

        この事例から明らかなように、新築であっても建築中のミスや不注意によりシロアリ被害が発生するリスクがあります。したがって、新築時に配管の確認や防蟻処理の適切な施工を徹底することが、シロアリ被害を未然に防ぐ鍵となります。

        このようなリスクを避けるためにも、建築中の細部にわたるチェックと、完成後の定期的な点検が非常に重要です。

        定期点検が大切

        新築住宅においてシロアリ被害を避けるためには、定期的な点検が不可欠です。特に新築の段階では、建築中に生じた微小な隙間や不備が将来的にシロアリの侵入経路となる可能性があります。

        配管周りの漏水事例のように、些細なミスが大きな被害を引き起こすケースもあります。定期点検では、床下の湿度チェック、木材の状態確認、配管や基礎の隙間の検査など、シロアリが好む環境や侵入経路となり得る箇所を重点的に調査します。

        早期に問題を発見し、必要な修正や対策を施すことで、シロアリ被害のリスクを大幅に低減できます。

        新築住宅を長期にわたって保護するためには、専門家による年に1度の点検を推奨します。これにより、家をシロアリの脅威から守り、住宅の価値を維持することが可能となります。

        専門家に相談すべきタイミング

        シロアリ防除の専門家に相談すべきタイミングを見極めることは、自宅をシロアリ被害から守る上で非常に重要です。まず、新築やリフォーム時には、予防的な観点から専門家の意見を聞くことをお勧めします。

        また、家の中や周囲でシロアリに関連する疑わしい兆候(例えば、細かい木屑の蓄積や、床の異常なきしみ)を発見した場合には、迅速に専門家の診断を受けるべきです。

        定期的な点検を実施していない、または最後の点検から数年が経過している住宅も、専門家によるチェックが必要です。

        さらに、隣家でシロアリ被害が発生したときも、自宅に被害が及んでいないかを確認するため専門家に相談することが賢明です。これらの状況において早めに専門家に相談することで、被害を未然に防ぐか、または最小限に抑えることが可能になります。

        悪徳業者に注意

        シロアリ駆除を依頼する際は、悪徳業者に注意が必要です。

        中には、不必要なサービスを勧めてくる業者や、他の昆虫の巣をシロアリの蟻道と誤認させ、高額な駆除費用を請求するケースがあります。

        悪徳業者の多くは、緊急性を煽るような言葉を使い、正確な被害状況の説明を避けがちです。信頼できる業者選びのためには、複数の業者から見積もりを取り、具体的な対策プランや費用の内訳を比較検討することが重要です。

        また、業者選びの際には、口コミや評判、過去の実績を確認することも有効です。

        怪しい勧誘には応じず、冷静に業者の信頼性を判断することが、被害を最小限に抑え、適切な対応を取るために必須となります。

        嫌な思いをしたくない!シロアリ駆除業者の選び方

        適切なシロアリ駆除業者を選ぶには、いくつかのポイントを考慮する必要があります。

        まず、業者が持つ資格や認定を確認しましょう。公的な認定を受けた業者は、信頼性が高く、専門的な知識と技術を有しています。次に、実績や口コミをチェックすることも重要です。過去の顧客のフィードバックや評価は、業者のサービスの質を判断する上で役立ちます。

        また、駆除方法や使用する薬剤の種類、保証内容などを事前に明確にしておくことも大切です。明確な見積もりと契約内容を提供する業者を選ぶことで、後々のトラブルを避けることができます。

        さらに、アフターサービスや定期的な点検サービスを提供しているかも確認すると良いでしょう。これらのポイントを基に、複数の業者を比較検討し、最も適したシロアリ駆除業者を選びましょう。

        自分のエリアでおすすめのシロアリ駆除業者を調査していますので、参考にしてみて下さい。

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        定期点検の目安と時期

        バスターブルー
        バスターブルー

        シロアリ駆除は専門的な技術を要します。目に見える被害が少なくても、床下が大変なことになっているケースもあります。

        新築住宅のシロアリ対策における定期点検は、住宅の状態を維持し、長期にわたる被害を防ぐために不可欠です。

        点検の目安としては、新築後の最初の2~3年は年に1度、その後は2年に1度の点検を推奨します。

        特に春から夏にかけてはシロアリの活動が活発になるため、この時期に点検を行うことが理想的です。点検では、床下の湿度や木材の状態、基礎の隙間など、シロアリが侵入しやすい環境を重点的にチェックします。

        以前にシロアリ被害があった場合や周囲にシロアリ被害の報告が多い地域に住んでいる場合は、より頻繁な点検が必要になることがあります。専門家による定期点検を通じて、初期の被害を発見し、適切な対策を講じることで、シロアリ被害を効果的に防ぐことができます。

        関連記事:シロアリ駆除の一軒家値段を徹底調査!失敗しないためのポイント!

        シロアリ駆除業者を検討するなら

        シロアリ駆除業者を選ぶ際には、その業者の経験、実績、提供するサービスの質を慎重に評価することが重要です。信頼できる業者を選ぶために、事前に複数の業者から見積もりを取り、サービス内容や保証期間、費用などを比較検討します。

        口コミやレビューを参考に、過去の顧客の満足度や業者の対応を確認することも有効です。選定した業者には、シロアリの発生状況の詳細な診断と、対策計画の提案を依頼し、その方法が自宅の状況に適しているかを検討する必要があります。

        作業後のアフターサービスや定期点検の提供があるかどうかも、選定の重要なポイントとなります。専門の知識と技術を持つ信頼できるシロアリ駆除業者を選ぶことで、効果的なシロアリ対策を実施し、住宅を守ることが可能となります。

        関連記事:おすすめシロアリ駆除業者ランキング!全国300社を徹底調査

        バスターレッド
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        シロアリ被害は一度の駆除で完全に終わるものではありません。継続して依頼できるとこに頼むようにしましょう。

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        クロモリ ユウキ

        air Inc.代表。マーケティング会社を経営しています。地方企業を支援しています。市場調査のガイドラインを監修。

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        シロアリ博士

        シロアリ防除施工士。シロアリ会社に勤務しながらシロアリの生態の情報発信をしています。シロアリに関する情報を監修。

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        岳下斉弘

        株式会社サクセス代表。建築設計会社を経営する設計士。リノベーション協議会会員。住宅に関する情報の監修。

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